HDクラッシュ時の危険分散のための雑文や小説、映画の感想などの置き場です。
 
2017/06/20 10:31:00|その他 
更新情報 06/25
カテゴリー「映画の雑文」に「上出来の『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』」アップしました。ファンタジー映画といわれていますが、ファンタジーは話の枠組みとして設定されているだけのもので、むしろよくできた青春純愛映画と考えたほうがわかりやすいでしょう。映画が始まって40分くらいたったところでタイトルが出るところなど内容にも合致していてけっこうオシャレです。主演の福士蒼汰君と(情弱なので全く知らなかった)小松菜奈さん、好演です。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=159711

カテゴリー「映画の雑文」に「ボケ老人でも『オケ老人』」アップしました。要するに老人たちのオーケストラを中心にした物語なんですが、最後に演奏会の場面をもってくれば、たいていうまく締めくくれますね。笹野高史、小松政夫、石倉三郎、左とん平、藤田弓子といった芸達者老人はもちろんのこと、主演の杏、相手役の坂口健太郎もなかなかいい味を出しています。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=159478

カテゴリー「写真」にインドクジャクの写真2点アップしました。前からみると輝いていて本当にきれいなんですが、後ろはごらんの通り。舞台のセットを見ているような気がします。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=159397

カテゴリー「映画の雑文」に「久々の西部劇に甘点『マグニフィセント・セブン』」アップしました。黒澤明の傑作「七人の侍」を西部劇に移植したのが「荒野の七人」。半世紀以上経っての、そのリメイクです。いくつか突っ込みどころもあり、七人のキャラがもう一つ鮮明でない不満は残りますが、久々の西部劇なのでつい採点が甘くなっちゃいました。(^^;
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=159338

カテゴリー「映画の雑文」に「西部劇のダンディズム、リリシズム」アップしました。「マグニフィセント・セブン」という映画を見たらなぜか昔の西部劇が見たくなり、「シェーン」と「駅馬車」を見ての感想です。2本とも映画史に残る西部劇の古典的傑作ですが、今見てもやはりおもしろい。何度も見てストーリーもわかっている映画ですが、わくわくしながら見てしまいました。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=158988

カテゴリー「日進市からの戯言」にIAさんからの恒例「そら豆通信VOL.20」アップしました。「老人力」問題はKSさんと似たようなものですが、釣りや盆栽などIAさんのほうが多少活動的でしょうか。健康のためには体を動かしたほうがいいとわかってはいるのですが、なかなか・・・(^^;。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=158705

カテゴリー「知多随想録」にKSさんからの恒例「知多の日々気まぐれ日記:2017年5月」アップしました。すべったの、転んだの、物忘れをしただのこのところ「老人力」を証明するような出来事が多いようなのですが、いちいち思い当たることがあるので、こちらも「老人力」がついてきているのでしょう。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=158686

カテゴリー「映画の雑文」に「壁がただの壁で撃沈『壁男』」アップしました。諸星大二郎原作(マンガ)の映画化。かつて安部公房の「砂の女」などを勅使河原監督が映画化したことがありますが、現実と幻想の間を行き来するような作品の映画化は本当に難しいですねえ。大昔にアンチ・ロマンの代表的な作家ロブグリエの原作とする「去年マリエンバートで」(アラン・レネ監督)という映画があり、現実と幻想の狭間をとてもうまく出していましたが、未だによくわからなかった映画のナンバーワンです。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=158546

カテゴリー「映画の雑文」に「ツッコミどころ満載だが『キングコング: 髑髏島の巨神』」アップしました。日本でゴジラ映画が何本も作られるのと同様、キングコング映画はこれで何本目になるのでしょうね。話はかなり杜撰ですが、CG特撮さえあればいいという人には楽しめる映画なのかもしれません。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=158247

カテゴリー「映画の雑文」に「アホバカ映画『D-WARS ディー・ウォーズ』」アップしました。古代のドラゴン伝説が現代に甦りということらしいのですが、あまりにいいかげんな展開にはさすがに開いた口がはずれてしまいます。こんな映画によく予算がつきましたねえ。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=157963

カテゴリー「映画の雑文」に「万里の長城の謎?『グレートウォール』」アップしました。あの万里の長城が造られたのには、こんな伝説があった。なぁんて書くと歴史ドラマのような気がしてしまいますが、単なる怪獣軍団との合戦映画です。監督がチャン・イーモウなので色使いなど見るべきところもありますが、CG満載の単なる戦闘映画です。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=157807

カテゴリー「映画の雑文」に「実写の意味が??『ゴースト・イン・ザ・シェル』」アップしました。元は押井守のアニメ「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」。その実写版ですが、CGの大洪水。ヒロインを外国人がやることに異論を挟む的外れな意見もありましたが、スカーレット・ヨハンソンにそれほど違和感はありませんでした。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=157310

カテゴリー「日進市からの戯言」に「そら豆通信VOL.19」アップしました。「知多日記」ともども続いているのは本当に素晴らしいことだと思います。ただ、どちらも最近の記事は、知り合いが亡くなったという話と体調がよくない(疲れた、痛い)という話が多いですねえ。私も似たような状況、体調なので他人事とは思えません。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=157241

カテゴリー「知多随想録」に「知多の日々気まぐれ日記:2017年4月」アップしました。ちょっとしたことで転ぶ、物をよく落とす、やろうとしたことを忘れる・・・。お互い「老人力」がつきましたなあ。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=157178

カテゴリー「テレビの雑文」に「三ツ矢サイダー事件」アップしました。こんな屁理屈でCMが中止になっちゃうんですねえ。「真似したら」という屁理屈を是認したら世の中のほとんどのCMやドラマはNGでしょう。おかしな世の中になってしまいました。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=157063

カテゴリー「テレビの雑文」に「前半の出来がよい『そして誰もいなくなった』」アップしました。アガサ・クリスティの原作を仲間由紀恵以下、柳葉敏郎、渡瀬恒彦、津川雅彦、向井理など豪華な俳優を揃えてドラマ化したもので、なかなか見どころのあるドラマになっていました。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=156913

カテゴリー「映画の雑文」に「ケンイチ努力賞『聖の青春』」アップしました。若くして亡くなったプロ将棋棋士・村山聖の生涯を描いた映画。松山ケンイチ、デブになって頑張りました。ジャニタレがいないとドラマが安定するなあ(そのわりに☆がのびていないのは、基本的に「難病物」が好きじゃないからです)。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=156729

カテゴリー「知多随想録」にKSさんからの「知多の日々気まぐれ日記:201
 カテゴリー「映画の雑文」に「キネマ旬報ベストテン2016の不思議」アップしました。映画にはいろいろな見方、評価があるわけで、自分と他人の評価が違っていても、ある意味当たり前なんですが、それでも「シン・ゴジラ」の2位には驚きました。
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=153948

 カテゴリー「映画の雑文」に「いろいろあった2016年に見た映画いろいろ」アップしました。本当に(それも、よくないことばかりが)いろいろあった2016年でした。あまりいい予感はしないのですが、今年はどんな年になるのでしょうか?
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=153733

カテゴリー「映画の雑文」「『映画の雑文第1回』再録」アップしました。アクセス数200万突破を記念して、誰に見せるというアテもなく「映画の雑文」を書いていた時代の第1回を再録しました。関心のある奇特で、さらに暇のある人はどうぞ。(02/10)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=142009

 カテゴリー「映画の雑文」に「2015年に見た映画一覧」アップしました。年間52本という数字はどう考えても暇な人間であることの証明です(^^;。(01/09)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=107951
 

 「映画の雑文」に「洋画の原題と邦題03終」をアップしました。素晴らしい邦題、どうしようもない邦題、いろいろありますが最近は原題の英語をカタカナにしただけのものが多く、英語に弱い私のような者には内容がさっぱり・・・。(07/08)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=102776

 「映画の雑文」に「洋画の原題と邦題02」をアップしました。しかしまあ「愛と青春の旅だち」「愛と哀しみの果て」「愛と追憶の日々」・・・なんでこうも似たようなタイトルばかりになるのでしょう。そして、名作をダイナシにした史上最悪のタイトル怒る(07/02)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=102568

 「映画の雑文」に「洋画の原題と邦題01」をアップしました。最近はカタカナタイトルの洋画が多いなぁと思いつつ、素晴らしい邦題や、関係者を怒鳴りつけたくなる邦題について、思いつくまま書き散らしました。(06/27)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=68060

 カテゴリー「映画の雑文」に「映画の終わり方」アップしました。このEMWにおける「迷走」ブログの更新はこれが最後です。長年のご愛読?ありがとうございました。(03/28)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=65769

 カテゴリー「映画の雑文」に「お気に入り映画100」アップしました。アメリカのAFIの映画歴代のベスト100というリストを見ていたら自分好みのベスト100を作ってみたくなりました。(02/17)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=65425

 ちょっと事情があって以前アップした「私の『がん』闘病記」少し手直ししてアップしました。がん一般の話ではありませんので、関心のある人は、この人の場合はこんな治療をしたんだという程度にお読みください。(01/16)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=65217

 カテゴリー「映画の雑文」に「今こそ『西部戦線異状なし』を見よう」アップしました。「集団的自衛権」「原発」「秘密保護法」威勢のいい叫び声ばかりが聞こえてきますが、「集団的自衛権」にしても、国を守るのは当たり前だろう、という一言で議論は終わり。なぜ今まで法制局は「集団的自衛権」は憲法に抵触するとしてきたのか、なぜこの時期に抵触しないと方向転換したのか、新たな法律を制定しないと国を守れないような状況にあるのか、などといった議論の深まりはなく、反対する者は非国民と言われかねない状況です。これは、こういう状況の時にこそ見るべき映画です。(12/09)
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=64927

※以下は旧「イージー・マイ・ウエッブEMW」でのリンクです。EMWが東京ケーブルの勝手な理由で廃止になり、そのままLIFE CLIPに移行できるという話だったのですが、移行に際して記事のURLが変わってしまったため、クリックしてもつながらなくなってしまいました。お手数ですがタイトルでサイト内検索してください。

2014年に見た映画一覧
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=22512

2013年に見た映画一覧
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=19107
 
2012年に見た映画一覧
http://www.life-clip.jp/member/tag1948/default.asp?c_id=16413
 
2011年に見た映画一覧
 
私の映画オールタイム・ベスト10
 
「JIN-仁-・完結編」徒然日記(全)
 
「JIN-仁-」徒然日記(全)
 
大塚久雄「社会科学における人間」
 
 ★ブログの趣旨についてはカテゴリー「『現在迷走中』について」を見てください。







2017/06/25 10:52:00|映画の雑文 
上出来の「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」☆☆☆★★★

映画にはほとんどの人が高く評価するものと(「アラビアのロレンス」「ベン・ハー」「駅馬車」「七人の侍」など)、評価が分かれるもの(「シン・ゴジラ」「タイタニック」など)、ほとんどの人がくだらないと思うものとがある(「アナコンダ」「テラフォーマーズ」「珍遊記」など)。
「ビッグ・ウエンズデー」や「ブレードランナー」「ルパン三世カリオストロの城」など私は映画館で見たが、平日の昼ということもあったのか館内はガラガラ。おもしろい映画だと思ったのにほとんど話題にもならなかった。それが年々評価が上がり、今ではカルト名作なんて呼ばれたりもする。
そんなわけで、映画の評価というものは見る人によって異なり、また固定的なものではないのだが、この映画は、人によってかなり評価が分かれるのではないかと思う。

例によってこの映画の存在は全く知らなかったが、劇場で見たという知り合いからファンタジー映画でそこそこおもしろかったという話を聞いたので、暇潰しのつもりで見てみた。何を隠そう(といって別に隠しているわけではないが)私は昔、「SF青年」だったのだ。
アメリカに「ファンタジー&サイエンス・フィクション」という雑誌があり、初期のSFマガジン(早川書房)が提携していたこともあって、SFとともにファンタジー作品もずいぶん読んだ。だから、このてのものには興味があるのだ。

ただ、この映画、確かにファンタジーなのだが、ファンタジー要素は設定をつくるための道具に過ぎず、むしろ恋愛映画、青春映画だった。監督は「アオハライド」(この映画、本多翼ちゃんが棒演技で、話自体もつまらなかった)の三木孝浩。主演は福士蒼汰と小松菜奈。
今どきこんな初で純真な若者がいるのかいなとは思うものの、ファンタジーであり、ある意味おとぎ話のようなものなのだから、違和感はない。二人ともなかなかいい感じを出していて、適役(主役2人については後でもう一度書く)。美大生の福士の友だちに東出昌大、父親に大鷹明良、母親に宮崎美子といったところが主なキャスト。いやあ、いいキャスティングなんだけど、地味ですなあ。

で、かんじんの映画だが、結論から言うと、私はおもしろく見た。
あまりネタバレは書きたくないのだが、この映画についてはどうしても触れないと話が始まらないので書くことにする。見る予定でまだ見ていないという人は、以下スルーのこと

キーポイントは、福士と(福士の視点で描かれているのでつまり観客が見ている世界と)小松の世界では時の流れが逆だということ。まあ、それを認めたところで時の流れは連続的なものなので、何で深夜零時にリセットされるのかという疑問は残るわけで、映画のようにその1日の中では同じように時を過ごせる展開になるなどということはあり得ないのだが、これは大前提なので「そういうことなのだ」と受け入れよう。

また、なぜ2人が会っていられるのが30日間に限られており、出会えるのがなぜ5年ごとなのかと疑問をもってはいけない(片方が5歳のときもう片方は35歳、以下10歳と30歳、15歳と25歳というかたちでですれ違っていくので、恋愛対象になるのは互いが20歳の「今」しかないというところがミソだ)。時を扱った話にはタイムパラドックスがつきものなのだから、そこを突っ込んでもいけない。くどいようだが、「そういうものだ」という前提を受け入れないと話についていけない。その前提が受け入れられない人はこの映画は見ないほうがいい。時間の無駄だ。

整理すると20歳の2人が会っていられるのは30日間。日にちのリセットが逆なので、福士にとって始まりは小松にとっての最後。福士にとっての未来は小松にとっての過去(小松から見れば逆)。だから、福士にとっての出会いは小松にとっての別れということになり、福士の明日は小松の昨日なので、2人のデートは、タイトルのようになるわけだ。映画が始まって半分近く進んでから=40分過ぎになってようやくタイトルが出るのは内容から考えるととてもうまく考えられていて感心した。

さて、そういう前提にたって、無理矢理の設定・展開が観どう客の共感を呼ぶように描かれているかが、この映画の評価のポイントになる。ただし繰り返すが、2人にとっての時の流れが正反対だというファンタジー設定を受け入れたとしても、意味不明な説明に納得できたとしても、細かいところで、こういうことにはならないだろうなどと考えてはいけない。かつてのSF青年の目から見るとあまりに抜け穴だらけのザル設定で、黒板に描かれたクルクル画像やパラレルワールドの話はとても受け入れられるだけの説得力がない。一応、説明だけはしておきますね、という一種のアリバイ工作に過ぎない。それをわかった上で、ファンタジーなんだからと無理矢理にでも納得して画面と向かい合うというのが大人の態度というものである。

要するに、作り手は、出会って、一緒の時を過ごして、別れなければならないという究極の切ない恋愛ストーリーを描きたいために無理矢理作り上げた設定と考えるべきだろう。そのどう考えても現実にはあり得ないような話を、どれだけリアリティをもってうまく処理するのかが制作者の腕である。
結論からいうと、福士、小松共に役に合っていることもあって、私はそれなりにリアリティをもって見ることができた。「事実関係」がわかってしまった後の処理も悪くない。というか、映画はそのあとのほうが切なくておもしろい。最後のほうで福士君の両親に2人で会いに行くところなどいいねえ。父親役の大鷹明良など絶品。最後に彼女の絵を描きながらの会話などけっこう泣かせる。泣くといえばこの映画、主人公の2人ともが実によく泣くのだが、泣くたびに2人は「強く」なり、涙が心地よく感じられるのは合格点。

最終日(福士にとっての。小松にとっては初日)ここからテンションを落とさず別れのシーンまでベタだがきちんと描き切っていて悪くない。そして、2人が別れたあとの5年後、彼女15歳に福士25歳が「最後の日」に描いた彼女の絵を見せ、二十歳の私たちに会いたくなった、ということで彼女の1日目(福士の最後の日)が始まる。今まで福士の視点から見せられてきた物語を、ここからは彼女の視点からフラッシュバックで見せられる納得の展開。そして、彼女の最後の日(福士の最初の日)がやってくる。こちらはすでに話を知っているので、彼女の言う「また明日ね」という言葉に悲しさと緊張感が込められており映画の初めのときとは別の意味でこちらの胸をうつ。

この後の暗転で終りということで私はいいと思うのだが、その後まだ短いエピソードがあって、私にはこのエピソードがよくわからなかった。
(以下、どうでもいいようなことをああだこうだと書いています。かつてSFが好きだったおっさんの「悪い癖」です。めんどくさいと思う人は、この字色の部分をスルーしてください。)

というのも、5歳の福士が35歳の小松に救われる逆で、5歳の小松が35歳の福士に救われるシーンがある(本編の15年後、15年前ということになる)。その後、映画冒頭の電車のシーンになり、「彼のもとにたどり着いた」という彼女の言葉で映画は終わる。5歳のとき助けてくれた彼とは既に15歳のときにも会っているわけだが、この最後に出てくる彼女はどういう彼女なのか。15歳のとき25歳の福士に自分の20歳のときの絵を見せられ、「20歳の自分に会いたくなった」というモノローグがあるので、まあ20歳の小松と考えるのが妥当だろう。

 最後の電車のシーンの前に、昔、福士が住んでいたアパートのシーンがあり、その後電車の中で福士に出会ってラストということも考えられる。出会うということは小松にとっては別れのはずなので、最後の日ので会う前にかつてのアパートを見てきたということなのだろうか。しかし、そう考えると「彼のもとにたどり着いた」という最後の台詞がどうもしっくりこない。

というのも、すでに書いたように「すれ違いは日単位(午前零時)」で行われ、その日の時の流れは同じなので(完全に時の流れが逆なら彼から見て、彼女はムーンウォークのように歩きながら後ずさって行くはずだし、言葉も逆、食べ物は口から出て皿に戻るという大変なことになる)、彼女にとって最後の別れとなるシーンの後に電車での最初の出会いのシーンがあるということが、私としてはスッキリしない。文法からいったらアパートのシーンがあって、駅での別れのシーンがあるべきだろう。

それとも2人の関係は「端と端を結んだ輪になって、一つに繋がっているんだ」という劇中の台詞のように、互いにループしていて繰り返すのか(お互いが35歳のとき5歳の相手の命を救っているので20歳に会えているのだから)。いやいや、電車を降りて告白され別れて電車に乗り込むシーンの後なので、ラストはただ電車の中で福士との出会い(つまり、本当の最初と最後)というだけのもので、彼女の泣き声で終わってはあまりに切ないのでここだけ前後をあえて入れ換え、2人の出会いをラストにしたのか・・・。

と書いてきて、エンディングソングが「ハッピーエンド」というタイトルであることを思い出した。ハッピーエンドならもしかすると最後の「彼のもとにたどり着いた」彼女は、すれ違っていく彼女ではなく、彼と同じ時の流れの中で一緒に寄り添っていく彼女だと考えられなくもない。だったらハッピーエンドだろう。
いやあ、頭が混乱してきますなあ。・・・タイムパラドックスが関係している話はいくら考えても(とくに年寄りの硬直した頭では)結論が出ない。誰か、うまく説明してくれないかなぁ?


いずれにしても、ピュアで切ない恋愛映画はもともとファンタジーの要素を内包しているわけで、ファンタジーの設定についてあれこれ理屈を考えるのではなく、純粋に青春恋愛映画として見るのが正しい見方なのだと思う。この映画、若いころというか同年齢のころに見たらけっこう感動できたかも、と還暦を過ぎたおっさんは考えたり残念がったりするわけである。見終わって、おもしろかったと思った人は、そのあともう一度見てみるといい。けっこう無理のある設定のリアリティを福士、小松の2人の好演が支えている(2時間の映画をほとんど2人で支えている)のがわかると思う。

上に書いたように、情弱の私は小松菜奈という女優を全く知らなくて、電車の中での最初のシーンを見たとき、おバカキャラで売っている藤田ニコルが出ている!と思ったのだが(小松フアンよ許せ)、話が進んでいくうちにどんどんかわいくなっていくので安心した。佐々木希のようなお人形的美人ではなく中の上程度の美人(小松フアンよ再び許せ。美人と断言するには目が離れてないかい?)なのが、リアリティがあっていいのだろう。
「あまちゃん」の「先輩」で売り出した福士蒼汰も最初はダサイかっこうをしているのだが、だんだんカッコ良くなっていく(不細工俳優をカッコ良く見せるのは難しいが、カッコイイ俳優を不細工に見せるのは簡単なんだね)。こういう変化はおそらく監督の狙い通りなのだろうが、2人のがんばりに座布団1枚、いや★1つ進呈。
この監督、最後のクレジットシーンで並行するレールが映し出され2人の生きる世界は結局のところ平行線かと思わせておいて、そのレールが交差するのも、けっこう芸が細かい。

最後にちょっと書いておきたいのは、ファンタジー故についつい絵空事になってしまいそうな展開の中で見るものを現実に引き止めてくれるのが、気が利いた中にリアリティのある台詞だということ。
「抱きしめ・たい」
と言う福士君に対して、小松さんが、
「抱きしめたら・いいんじゃない・の・かな」
と答えるやりとりなど、初な2人の切ないような甘酸っぱい感じが台詞でとてもうまく表現されていて感心した。最近はかつての映画青年だったころのように脇役や撮影監督、シナリオライターなどに注意を払うこともないのだが、今回は、「脚本家はどんな人なんだろう?」と思いながらクレジットを見た。吉田智子さん、いい仕事しましたねえ。ちょっと甘いが、これもおまけで★1つプラスしておこう。

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=nqzjv3TWvA0

☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)







2017/06/20 10:25:35|映画の雑文 
ボケ老人でも「オケ老人」
「オケ老人」☆☆☆★

洋の東西を問わず、「オーケストラもの(+合唱団もの)」の映画は途絶えることがない。
理由は簡単。最後に演奏会の場面をもってくれば途中がヘロヘロでもなんとなく大団円という感じになるからである。ラストが決まっているということは着地点が見えるので物語を組み立てやすい。寄せ集めでダメな連中が名演奏をする(「オーケストラ」)、気難しい老人が亡くなった妻や子を想いながら見事に唄いきる(「アンコール」)、謎の指揮者がダメオケを立ち直させる(「マエストロ」)、女子高生を扱った「スウィングガールズ」「歌魂」、テレビドラマでも「のだめカンタービレ」をはじめ寺尾聰が主演した「仰げば尊し」や「表参道高校合唱部!」など、書き出したら切りがない。あの「砂の器」にしても、ラストにあれだけの人数を揃え、東京交響楽団による演奏があって初めてあれだけの感動を呼んだわけだ。
で、今回は、老人たちのオーケストラ。オケ老人とは、もちろん「ボケ老人」とのダジャレである。

主演は杏(朝ドラ「ごちそうさん」)で、相手役は坂口健太郎。杏が大女なので相手は坂口くんくらいタッパのある俳優でないとバランスがとれない。年齢はともかくキムタクでは相手役は務まらないだろう。というようなことはさておき、やはり見どころは老人俳優の面々。老人の代名詞のような笹野高史(wikiを見たら何と私より歳下だったことに実はショックを受けている)以下、小松政夫、石倉三郎、左とん平、藤田弓子など。老人というか年配俳優の面々ぞくぞく登場。その誰もが演技に余裕があるので安心して見ていられるし、余裕をもってのコメディ演技なので思いのほか笑える。有名どころで出ていない老人は「ロボジー」で好演したミッキー・カーティスくらいのものか。

高校の数学教師の杏は、昔、バイオリンを弾いていた彼女は夢が忘れられず地元のかなりうまい楽団に入ることを決意する。が、勘違いからうまいほうのの「梅が岡フィルハーモニー」ではなく、下手な老人ばかりのオーケストラ「梅が岡交響楽団」に入団してしまう。これが老人ばかりのオーケストラ。笑いをとるための演出なんだろうが、この面々がまともな音が出せないほど下手。で、予想通りというか「お決まり」の展開。「決まりもの」なんだから、あれほど下手だった「威風堂々」をいくら時間をかけて練習したとはいえ、ラストであれほどうまく(それも暗闇の中で)演奏できるのか、などという疑問をもってはいけない。

監督・脚本の細川徹(知らない人だ)の演出は演奏会という着地点が決まっていたとはいえ「定番」を生かしつつ、それなりにきちんとまとめたと評価すべきだろう。ジャニタレが出ていないこともあって、くどいようだが安心して見られたのも大きい。芸達者な俳優を使ったおかげもあって、個々の老人の描き分けもうまくいっている。それにつられたのか、杏ちゃんも坂口くんも好演。何よりもCGに頼らずそれなりの入れ物に人を入れて撮影したコンサートの様子は定番ではあるが感動的ですらある。あそこで停電をもってきたのは映画的にはクリーンヒット。うまく、締めくくられた。

クレジットからのひとシーンというのは最近の映画の定番だが、この最後のひとシーンがなかなかうまくできていて微笑ましい。合わせて★1つプラス。もちろん傑作というほどではないが、それなりにおもしろく見られた映画で満足(涙腺の弱いKSさんがこの映画を見て涙が出たと書いているが、十分に納得できる)。それにしても、好きなことをやるのが、イチバンだなぁ。

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=kLloL8qjEB4

☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)







2017/06/17 13:37:53|写真 
たまには写真でもアップ
 先日、ブログ記事の整理をしていたら、「写真」というカテゴリーを発見?しました。かつては自分で撮った写真はもちろん、知り合いから送られて来た写真もこのカテゴリーでアップしていたんでした。最近は送られてくる「日記」「通信」以外はほとんど映画の感想ですが、せっかくカテゴリーがあるんだから、久しぶりに写真をアップしておきます。インドクジャクの裏表です。
(写真をクリックすると少し大きく表示されます)







2017/06/15 16:26:03|映画の雑文 
久々の西部劇に甘点「マグニフィセント・セブン」
「マグニフィセント・セブン」☆☆☆★

前回の「西部劇のダンディズム」の続きのようなかたちで、最近の映画「マグニフィセント・セブン」の感想を少々。

原題は「The Magnificent Seven」要するにカタカナにしただけのタイトルだ。このタイトルで私たちおっさんが思い出すのはもちろん「荒野の七人」(原題は同じくThe Magnificent Seven)である。「荒野の七人」といえば黒澤明のあの「七人の侍」の舞台を西部劇に置き換えた佳作。「七人の侍」はアメリカでは「Seven Samurai」と訳されていて、「荒野の七人」とは区別されていた。ほほう、「荒野の七人」が再上映されるのかと思ったら、オーマチガイ。今回の「マグニフィセント・セブン(The Magnificent Seven)」は全くちがう映画だった。しかし、原題に限れば「荒野の七人」と同じ。いったいどうやって区別するのだろう?

というようなことを一旦は思ったのだが、「七人の侍」は1954年(昭和29年)、「荒野の七人」は1960年。最初のリメイクまでわずか6年しか経っていないのに(これも驚きだった)、今回のリメイクは「荒野の七人」からすでに半世紀以上。今回、この映画を見る大部分の人はどちらの映画も劇場では見ていないだろう(私は「荒野の七人」は封切り時に二番館で見たが、「七人の侍」はリバイバル上映の時)。つまり、大元の映画は見ていないので、間違える心配なんぞほとんどないということだ。

監督のアントワーン・フークアはデンゼル・ワシントン主役「イコライザー」を撮った人で、そのデンゼル・ワシントンが主役のサム・チザムに。「荒野」のクリス(ユル・ブリナー)同様、黒ずくめの服装はオマージュか。マックイーンがやったヴィンにあたるファラデーをクリス・プラット、以下、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンら。黒人が主役で、ハーベストというインディアン(この時代にネイティブ・アメリカンと言うのはおかしいだろう)が加わっているところが今風ということなのだろう。この映画の時代に黒人がボスでみなが納得したのかとか、インディアンや東洋人に対する偏見はないのか、などと考えてはいけない。

そのほかでは、夫を殺されたエマ・カレン(ヘイリー・ベネット。不細工な女優だがなぜかエロい)という女性が先頭にたって「用心棒」探しをし、自らもライフルを持って闘うあたりが新味といったところか。確認したわけではないが、先の「イコライザー」でヒロインの少女娼婦のことをワシントンに漏らしたため殺されてしまった娼婦をやった人ではないかと思う。あの映画ではエロさ全開だったが、今回はおっぱいの上が少し見える程度でエロは抑えている。残念。あと、敵の首領バーソロミュー・ボーグにはピーター・サースガード。ガンファイトでのファンニング、拳銃をクルクルストンとフォルダに収める仕草、横並びでの稜線の移動、など「西部劇」の定石をきっちり押さえているあたりはうれしい。

前2作は農民から収奪する野武士、野盗集団を退治するためだったが、今回は金鉱のために町を追い出される人たちのためにと設定を若干変えている。実は、チザムが用心棒を引き受けたのにはもう一つ別の理由があるのだが、ネタバレになるので書かない(それじゃあ「マグニフィセント」と言えないんじゃないのか、という人もいるだろう。私もその1人で、新鮮味を出そうとした「改悪」だ)。そうなると後の6人が仲間になったのはいったいどういう理由なのかわからなくなる。「七人の侍」の場合、本来の侍の正義=魂というものがある。だからこそ、志村喬の「このめし、おろそかには食わんぞ」なんて名言も生まれてくるわけだ。しかし、ガンマンの場合、そういった侍精神を参加理由にするわけにもいかず、「金」のためというものをある程度出さないとすっきり納得できない。そのため「荒野」の場合その報酬が20ドルということになっていた。それでも若干の違和感はあったのだが、今回の映画ではその部分が違和感というより、ほとんど説明されておらず、謎だ。生きるのに飽きて、ただ、死に場所を求めたのか?

映画の構成としては乗り込んだ町でとりあえずの戦いがあり勝利するが、それを知った相手が総力をあげて押し寄せ、クライマックスの壮絶な戦いの中で何人かが死んでいくという構成は「侍」「荒野」と同じ(「七人の侍」とのちがいは「侍」では途中で2人が敵の銃弾に倒れるのだが、2つの西部劇では最終決戦まで7人揃っているというところだ)。ただ、同じような撃ち合いをやっていたのでは芸がないと思ったのだろう(←推測です(^^;)、今回の戦いはスケール感を出すためダイナマイトあり、ガトリングガンありで、かなり派手なものになっている。この2度にわたるドンパチはそれなりにスピード感もあって楽しめるものになっている。

では、かなりの傑作かというと、そうでもない。
私は前2作の七人が集まってくる過程が大好きなのだが(「侍」の稲葉の「ご冗談を」、マックイーンの指2本など、見ている人には同意してもらえると思う)、その心地よいリズム感がないこと。町の人とのやりとりがほとんど描かれていないので、そんなに簡単に銃をとって戦う気になれるものなのか疑問をもってしまうこと。そして、東洋人やインディアン、デブなどで差別化したつもりなのだろうが、七人の性格の描き分けがイマイチなこと(映画としては「七人の侍」より1段落ちる「荒野の七人」でもブラッド・デクスター以外は全員いい味を出していた)。音楽は、西部劇らしくて悪くないが、どこかエルマー・バーンスティンの「荒野の七人」に似ているなあと思って聞いていたら、クレジットシーンになって「そのもの」が出てきた。拍手。

まあ、そのほかにもいろいろ細かい点で気になったところはいくつかあるのだが、「骨格」がきっちり出来ていておもしろいと、かなりよれってもそれなりにおもしろい映画ができるという見本のようなものである。いいシナリオがなければいい映画はできない。では、いいシナリオがあれば必ずいい映画ができるのかというとそうでもないのだが、少なくともある程度の体裁は整えられるということだ。いずれにしても最近、西部劇はほとんど作られなくなってしまったので、西部劇フアンとしてはどうしても採点が甘くなってしまった。許せ。

↓予告編
https://www.youtube.com/watch?v=ATebNTY-mi8

☆★は、尊敬する映画評論家・双葉十三郎さんの採点方法のパクリで、☆=20点、★=5点(☆☆☆が60点で「可」。合格というか、まあ許せるラインということです)







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